KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

ミニ・サバチカル

アメリカ行きまであと一週間足らずになってしまった。しかしこの二月はよく働いた。土曜日もほとんど出てきて働いていた。しかし、日曜日は必ず休まなくてはだめだ。一週間を七日間と誰が決めたのか知らないが、よくできたシステムである。このシステムに逆らって、日曜日も働いてしまうと、メリハリがなく、仕事がおもしろくなくなり、きっと生きていくのが嫌になると思う。逆に、毎日が日曜日、つまりしなくてはならない仕事がないというのもつらいと思うが、働き続けもよくない。日曜日にゆったりと休むことによって月曜日に気持ちよい出発ができるような気がする。

まあ、よく働いたとはいっても、みんな頼まれ仕事ばかりであるからあまりいばれない。こんな時間の余裕がない時には原稿なんか書けないものだ。アメリカに行ったらゆったりとして、これからの研究について思いを巡らせることにしよう。そう考えたら、これはミニ・サバチカルなのではないか。七年ごとに一年間の骨休みを与えるというサバチカルの制度もよくできたものかもしれない。日本の大学にもサバチカル・イヤー制度が一般的になるといいと思う。日曜日を休まずに働き続けることが、能率を下げるだけでなく、人生そのものを嫌にしてしまう危険性があるように、勤続何十年ということを誇る土壌には、働き続けることだけが美徳であり、そのことが仕事そのものをだめにしてしまう危険性があることを覆い隠してしまうように思う。仕事とゆるませることのバランスが大切なのだ。自分をゆるませることができなければ、仕事を外から眺めて、創造的な方向に持っていくことができない。

一ヶ月半の在外期間は短いが、この不在期間に原稿の締切が設定されていることを口実に、今年は日本心理学会でも教育心理学会でも大会発表をしないことにした(教育工学会は締め切りが遅いので発表できそう)。一昨年あたりから大会での発表がおっくうになってきた。それで去年は、シンポジウムやワークショップの世話役をやったりしたのだが、こちらのほうが面白いというのが感想だ。実質的な査読がない日本の大会と、きびしいところでは採択率が数割というアメリカの大会とではどちらがいいのかわからないが、今回、AERA(アメリカの教育研究者の学会)の大会を見にいくことで、判断材料を得ることができるかもしれない。