前期の試験が終了した。これでこの大学での授業担当は終わりである。そう考えると少しは感慨深いものがある。10年以上もやっていると、授業のスタイルについては安定してきたところもあるかもしれない。しかし、大学院も含めゼミ形式のものは難しい。いまだによくわからない。ひとつの原因は、参加する学生の資質と相性に大きく依存すること。
ゼミをその参加者の質に依存することなく、安定して高品質のものにすることはチャレンジングな課題になるだろう。それは徒弟的なものにならざるをえないわけだが、ひとくくりに徒弟的といっても、そこには教え育てるのがうまい師匠と、そうではない師匠がいるわけだ。教え育てるのがうまい師匠たちが共通して持っている技能を明らかにできれば、大きな進歩である。
何か、教え伝えたいことがある。私の興味は、教え伝えたいその何かそのものではなく、何かを教え伝えるときにどういう方法やテクニックを使っているのかという普遍的なものに焦点があるようだ。それが教育工学ということなのだが。
