KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

Weiner博士の講演

所沢キャンパスで開かれているパーソナリティ心理学会にもぐって、Weiner教授の講演だけ聴いてきました(写真)。

原因帰属の深層構造モデルということで、何か失敗したときにそれを努力不足に原因を求めるか、あるいは才能(能力)不足に原因を求めるかによって、その後の感情と行動が変わってくる。努力不足であると認知したら、それはその人が統制可能であったから、自己責任であり、観察者は怒りの感情を感じ、罰というような行動になる。一方、能力不足であると認知したら、それは統制不可であるから、当人の責任はなく、その結果、同情という感情が生まれ、援助行動に至る。

これを社会的に広げて考えると、たとえば、貧困の原因を何に求めるかによって、リベラルと保守に分かれる。リベラルは貧困を社会システムのせいだと認知する。一方、保守はある程度はその人自身の責任だとするのである。しかし、これはあくまでも個人差や文化差というような調整変数にとどまり、全体の構造を決めるのは原因帰属のモデルである。

というようなことをお話しされていました。やはり、本人から本人の理論について説明されるのは迫力がありました。