冨永敦子・綿井雅康『わかりやすく説明する技術』

わかりやすく説明する技術 (実日ビジネス)

ビジネスの場には、上司や部下、お客様に伝えなければならない情報が山ほどあります。仕事の進捗状況や企画の提案、商品の機能や使い方など、挙げればきりがありません。これらの情報をわかりやすく説明するのに「特別な才能」は必要ありません。情報をわかりやすく説明するのに必要なのは、論理的思考力とそれを表現できる「技術」です。

著者の冨永敦子さんを、2001年の富山大学の言語表現部会でお招きして講演していただいたことがある（http://d.hatena.ne.jp/kogo/20010131）。そのときの話もすっきり明快で、これぞ「よい説明」という印象があった。この本は、わかりやすく説明するための原理をわかりやすく説明している。とりわけ、ビジネスの場でよくありそうなケースを具体例として詳細に取り上げているところが特徴で、それがこの本の応用範囲を広げていると思う。途中で挟まれている綿井先生の心理学コラムもアクセントになっている。