「このクラスは私語が少ないね」
「まあ、授業全体が私語のようなものですから」
「グループ討論がね」
「受講生はしゃべりたいんですよ」
「それでレクチャーを短くしている」
「そう。できるだけ切りつめて、20分程度で」
「それだけで足りる？」
「もちろん、しゃべりたいことはありますし、やろうと思えば90分くらいは平気でしゃべってしまう」
「それをあえて短くする」
「その方がメッセージは強力になります」
「長すぎても短すぎてもだめだ、と」
「教員がしゃべり続けた90分も、グループ討論をした90分も同じ90分なのです。それをどういう配分にしたら最適になるかという解を求めなければなりません」
「それは単調でもないし、リニアでもない」
「もちろんです。人間が関わる問題は常にバランスこそが解です」
「最適解を求めるわけね」
