KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

杉山尚子『行動分析学入門』

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

行動分析学の十分な入門書としては、杉山尚子・島宗理・佐藤方哉・リチャード=マロット・マリア=マロットによる『行動分析学入門』(ISBN 4782890303)がお勧めであるし、自分もこの本で行動分析学の面白さを学んだのだけれども、ちょっと大きな本であるので、新書判によるこの本ができたのは大歓迎されるだろう。

全体として、行動随伴性、シェイピング、単一被験体法とバランス良く、しかもわかりやすく解説されている。そのあと、一章とって、スキナーの言語行動理論が解説されている。言語も行動のひとつであり、こんなふうに分析できるのだということを知ることができ、読み応えがある。メタコミュニケーションをスキナーの枠組みでとらえるとどうなるか、などと考えてみるとおもしろいかもしれない。

教育工学やインストラクショナルデザインの源流は、行動分析学にあるので、この領域の専門家に広くお勧めしたい。さまざまなヒントが得られるだろう。