KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

梅田望夫・飯吉透『ウェブで学ぶ』

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

著者お二人による章の執筆と,対談.高等教育を中心とした教育のオープン化の現状と,これからの展望が得られる.

飯吉さんのポイントは,3つの「オープン」.

  • オープンテクノロジー:Sakaiなど,オープンにされたソフトウエア
  • オープンコンテンツ:OCWなど,オープンにされた教育リソース.また,conneXionsのようなオープンテキストブック運動
  • オープンナレッジ:教育に関する知識と経験のオープン化と流通

これは,2005年にWebCTカンファレンスで聞いたときの話と一貫している(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20050603/p1).

京大MOSTの話も取り上げられている.私もさっそく招待してもらった.この中には自分の授業をドキュメント化し,流通させるためのKEEP toolkitも含まれている(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20050604/p1).

飯吉さんの主張は,「20世紀の学校モデルにさよなら」で(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20050605/p1),その新しい形として「クラウド・カレッジ」というイメージを提供する.

その一方で,今あるリアルな大学がどうなるかというと,アメリカの大学がそうなりつつあるように,「キャンパスを魅力的にして学生を閉じ込める」.キャンパスそのものを自由な学びのサロンにするということだ.