KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

石弘光『新・学問のススメ---生涯学習のこれから』を読みました

著者が学長を務めた放送大学と、各国の公開大学の現状、そしてeラーニング生涯学習の全体を概観するのにいい本です。

早稲田大学eスクールのこともちゃんと言及してあります(p.38-39)。

「その後124単位すべてをインターネットによる授業により単位修得できるようになった。かくして早稲田大学のようなeスクールの設立が、制度的に認められるようになったわけである」

「eスクール」が「インターネットを利用した大学」の一般名詞として使われているのが気になりますけど。私の理解としては、早稲田大学人間科学部通信教育課程の愛称が「eスクール」なので。o(^▽^)o

あとは、次のような点が参考になりました。

  • イギリス・アメリカの公開大学ではコールセンターの充実が学生の満足度を高めている。放送大でも現在35人体制のコールセンターを設け、問い合わせ(年間6万コール)だけでなく、大学からフォローコール・サポートコールをするようにしている。
  • イギリス公開大学の特徴は、チューター制度。科目ごとに15〜20人の学生に1人のチューターがつく。全学で8000人のチューター。なお学生数は18万人。
  • 著者は、放送大学は放送中心からインターネット(eラーニング)に移行しなければならないことを明確に感じているが、官主導のせいで苦労したことを最後の方で吐露している。