KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

「持論おばさん」の思い出

2021年3月12日(金)

ハローフライデー! 向後です。

5年ほど前から中野のエクステンションセンターでアドラー心理学の講座を開くようになりました。今から思い返すと、最初の1、2年は一風変わった人が混ざっていたなと思います。多分、アドラーの名前が今ほどは知られていなくて(『嫌われる勇気』も出たばかりの頃でした)、「アドラー心理学ってなに?」と思った人がたくさん来ていたからだろうと思います。

その中で私が「持論おばさん」と呼んでいた人のことを思い出します。もちろん「持論おじさん」もいたのですが、割合的にはおばさんの方が多かったのです。

この持論おばさんの特徴は、私のレクチャーがひとしきり終わったあとで「何か質問やコメントありますか?」と聞くと、すぐに手を上げてコメントしてくれることです。で、レクチャーの内容についてのコメントは一言で終わって、続けて「これは私の持論ですが」というセリフで突破口を開くと、延々と関係のないことを話すのです。

この長く展開される持論は、授業を壊すのにパワフルな力を持っています。大学の授業ではこういう学生はいないので、「社会人学習者おそるべし!」と感じました。

もちろんそれぞれの持論を持つことは大切です。しかし、何かを学ぼうとするときはいったんそれを手放すことが必要です。頭の中が持論でいっぱいになっていたら、それ以上のことは入りません。

ゼロで始めよ!です。

では、良い週末を!

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向後千春メールマガジン(発行者:向後千春 kogo@waseda.jp)

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