KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

にがいにがい

 我が家の子供のしつけ方針は厳しいものがある。ま、私は甘甘なんだけどね。

 たとえば、子供にはやたらに甘いものを食べさせない、というのがある。チョコレートは完全に御法度である。また炭酸系のジュースもダメ。カルピスもダメ、ということになっている。

 しかし、親は両方とも、甘いもの大好きである。したがって、チョコレートを食べるときは、子供が欲しがらないように気をつけなければならない。どうするかというと、チョコレートを食べるときは「これはおクスリだよ。うわっ、にがいにがい。あいちゃん(子供)は食べられないね」といいながら、しかめっ面をするわけだ。

 私は風呂上がりにカルピスを作って飲むのが好きである。このときも、あいちゃんには水を飲ませて、私はカルピスを飲む。もちろん「この白い水はおクスリだよ。うわっ、にがいにがい。いやだなあ」と言いつつ、カルピスを飲む。うひひ。このようにして、チョコレートもカルピスも子供の口から完全に遠ざけることに成功してきたのである。

 しかし、こういう虚構は、蟻の一穴で崩れ去るものである。甘甘である私は、子供の素直な瞳に負けて「にがいにがい」といいつつ飲んでいたカルピスを、少し子供に与えてしまったのである。子供は未知の味に感動して言った。「ニガイニガイ(=おいしい)」。

 それ以来、子供は「ニガイニガイ」といいつつ、カルピスをせがんでくる。チョコレートを少しもらっては「ニガイニガイ」といって喜ぶ。