KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

「戦場のピアニスト」

スターリングラード」に引き続き、戦争もの。これもDVDが全部借りられていたので、吹き替え版のVHSビデオだ。DVDに比べると、画面が汚いような気がするが、それはともかく。

救いようのない映画だ。本来、戦争映画をエンタテイメントとして観る方がおかしいのかもしれないが、なんかやる方憤懣ないものを何とかして欲しい。観ている方のカタルシスを果たさせて欲しいという気持ちばかりが募る。しかし、そんなことはお構いなしにストーリーは進んでいく。

しかし、そういう演出をしてはいけないのだろう。監督自身がそれを禁じているのかもしれない。最後までカタルシスは果たされない。それどころか、主人公がある意味ひどく滑稽な理由で殺されてしまうのではないかという危機感さえ観客は味わう。ここまで生き延びてきたのに、そんなわけないだろう、映画として、と思わず心の中で叫ぶ。

アウシュビッツは今も残されているし、私自身も行ったことがあるが、ワルシャワゲットーはもうないだろう。それがどんなものであったかを知ることができた。これを見ると、ナチスを生んだドイツが世界からなかなか許してもらえなかったわけがわかる。