KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

発表者自身が自分の卒論を理解しているということを確認するために質問をしました。

eスクールの卒業研究発表会でした。みなさんお疲れ様でした。今回私のゼミからは9人の卒研生が発表しましたが、全てが素晴らしい発表でした。私も指導に当たった教育コーチも誇りに思っています。

今回は、質疑応答の時間の最初を借りて、研究方法や統計分析についての質問を1人につき3つほどしました。この発表会は口頭試問を兼ねていますので、発表者自身が自分の卒論を理解しているということを確認するために質問をしたのです。内容についてはすでにゼミの発表会などで把握していますので、あくまでも方法論的なところを聞きました。

質問は以下のようなものでした。典型例を挙げます。

・構造方程式モデリングでAGFIとは何ですか。どれくらいあればいいですか。
・M-GTAとGTAの違いは何ですか。
・インタビューする人数を打ち切るための基準は何ですか。
・α係数とは何ですか。
・因子分析で回転とはどういうことですか。回転しないとどうなりますか。
・累積寄与率とは何ですか。何のために使いますか。
・重回帰分析でステップワイズ以外の方法をあげてください。
・効果量とは何ですか。その目安はどういうものですか。
・重回帰分析でR^2とは何を意味しますか。
・t値がマイナスになっていますが、何を意味しますか。

これら全ての質問は発表者のスライドの中から取り上げたものです。スライドを作ったのは発表者自身ですから、それを自分がきちんと理解しているかどうかを試したものです。

統計パッケージを使うスキルは、その意味を知っていることと一緒でなくてはなりません。そうでないとなぜこうした数値が出てきたのか、またそれをどう解釈すればいいのかということがわかりません。今回の質疑ではそれを試したものです。

発表者は半々くらいの確率できちんと答えることができていました。初めての試みとしては上々ではないでしょうか。

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2017年で人間科学部は創設30周年を迎えます。

人間情報科学科の新年会がありました。同時に、この3月で退職される先生方の送別会でもありました。その中に、恩師である野嶋栄一郎先生もおられます。

2017年で人間科学部は創設30周年を迎えます。その立ち上げから関わってきた野嶋先生に心から感謝したいと思います。

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野嶋先生の最終講義は下記の要領で開かれます。

野嶋 栄一郎先生(人間科学学術院)
「創設期の人間科学部と再編を巡る思い出」
2月4日(土)13:00~14:30
所沢100号館212教室

eスクール4年生の多喜翠さんの論文が日本教育工学会論文誌に掲載されました。

eスクール4年生の多喜翠さんの論文が日本教育工学会論文誌に掲載されました。

  • 多喜 翠・堂坂 更夜香・向後 千春(2016)マイクロフォーマット形式による研修の実践と効果の検証『日本教育工学会論文誌』40(Suppl.), Pp.25-28.

ここ数年、私が開いている講座では「マイクロフォーマット」と呼ぶ形式を使っています。マイクロフォーマット形式では「15分のレクチャー→10分のグループワーク→5分の全体シェア→質問カードへの書き込み→質問への回答」という形式でひとつのユニットを回していきます。

この論文は、日本の各地で開いてきたマイクロフォーマットによる講座の受講生からのアンケートデータを分析して、その有効性を検討したものです。回答者数は1,000人を超えます。どうもありがとうございました。

メール(kogo@waseda.jp)をいただければ抜き刷りを送ります。メールで送り先住所をお知らせ下さい。ぜひたくさんの人に読んでいただき、この形式を使っていただきたいと思います。

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