KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

(甲南女子大)他:リフレクティブ・デザイン

 上田さんはたった10分間のプレゼンの時間をどう構成するかという意味においても実験をしている。まず実践の様子をビデオを流しながら説明。その実践を体験してもらおうと、その場で聴衆にプリントを配ってミニワークショップを開いてしまう。まさにこれからのプレゼンテーションという感じがする。このダイナミックなプレゼンそのものが教育工学の進むべき方向を示しているような気がする。

 さて、その内容だが、ある程度の複雑さを持った図形を日本語で書き表し、それを第三者に渡して元の図形を再生することができるかという実践を通して、プログラミングの基礎を作っていこうとする実践である。BASICやCなどのプログラミング言語を教えていく方法とは全く違ったアプローチだ。

 このアプローチのポイントは、日本語で図形を書かせる文章を作りながら、自然にループや条件分岐などのアルゴリズムの基本が生まれてくることが第一点。

 そして第二点としては、「すでにある道具」(例えばワープロや図形ソフト」を学ぶのではなく、「自分で欲しい道具を作る」ことを学んでいくということだ。こうしたコンセプトを難しいものではなく完全に具体的な(中学生位を対象とした)実践として完成していることだ。ここでは図形を描かせるために便利な語彙や方法を自分で定義し、自分なりのマイクロワールドを構成している。