KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

盲人にとってのグラフィックベース

 集中講義の受講生6人の中に菊地くんという全盲の学生がいる。点字タイプでメモを取りながら熱心に受講している。1日目のレポートもパソコンで打って、私にメールで提出してくれた。また、彼のパソコンにテキストファイルを入れれば読み上げソフトによってイヤホンで聴くことができる。だから配布プリントも、テキストファイルにしてくれば彼の役に立ったはずだが、その用意をしてこなかった。

 2日目に扱ったCAI教材のようにグラフィックベースのものだと読み上げソフトが効かない。基本的にはOSもグラフィック・インタフェースは使えない。したがって一世代前の文字ベースのOSの方がかえっていい。考えさせる話である。裏を返せば、盲人向けの文字ベースのCAIソフトはまだこれからの領域であるに違いない。こうした分野でよい研究ができればいいのだが。