KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

あなたの記事を楯にします

 いつものように事務にあるレターボックスを開けると、「全国鉄道保存協会」というところから手紙が来ていた。ダイレクトメールにしては、私は鉄道にはあまり興味はないのだが、と思って、住所を見ると、「大分県」と。ますますわけがわからない。しかし、宛名書きは丁寧な手書き。?。

 落ち着いて、もう一度差出人を見ると、「鉄道」ではなく「報道」だった。「全国報道保存協会」。「報道保存」とはなんだ?と思って封を切って読んでみる。そうしたらこういう商売だった。

 何かの賞を取ったとかで、新聞や雑誌に記事が載ったら、それを銅製の板にエッチングで刻んで、記念の楯にします、というものだった。費用は2万円弱。それで、貴殿の記事をぜひ楯にしませんか、ということだった。「貴殿の記事」とはいったい何なのかというと、コピーがはいっていた。それは去る6月に地元紙に載った記事で、「自己表現力の教室」が文苑堂書店で売り上げベストテンにはいったというもの。文苑堂は高岡に本社のある、富山では割とメジャーな書店。

 ううむ。もうちょっとすばらしい記事だったら楯にしてもいいんだけど。いや、自分の本がローカルでもベストテンに入るというのはすごいと思うんだけれどね。

 ともあれ、こんな商売があるんだなあ、と感心した。保存協会のスタッフは、毎日、大新聞から地方ローカル紙まで目を通して、せっせとダイレクトメールを送っているんだろうなあ。目の付け所がおもしろい商売である。