KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

トーキングスティックの効用

ゼミでトーキングスティックを試してみた。「ワークショップ」で紹介されていた方法だ。

参加者で話し合いをするときに、木の棒(トーキングスティック)を用意する。話をするときはこの棒を持って話をする。棒を持っていない人は、その人の話に耳を傾ける。話をしたいときは棒をもらう。

木の棒は用意していなかったので、テレビのリモコンをそれとした。そうすると不思議なことに、今までざわざわしていたり、隣同士で関係のないおしゃべりをしていたのが、ぴたりと静まり、一人の語りに集中する。たったこれだけのルールで様変わりする。

棒を持っている人はきちんと語ろうとし、持たない人はそれをよく聞こうとする。周りが聞こうとするから、話す人はきちんと語ろうとする。これが相互作用してサイクリックなシステムを作り上げるのだ。すごい。棒がなければ、我先にしゃべろうとして、活気づくけれども、議論としては雑になることが多い。棒があると、慎重にしゃべろうとする。我先にということはなくなり、むしろ棒を他の人に回したい気分になる。この変化が面白い。

結果として、発言数は明らかに少なくなる。しかし、その内容や話の質はむしろ高くなっているのではないか(卒論でこんな研究をしてみるのも面白いだろう)。

休みを挟んで、今度はトーキングスティックの代わりに、ICレコーダを使ってみた。これだと、発言がすべて録音されることになる。これをどのように使うのか。次のお楽しみ。