KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

自主シンポ:個人内の変化・共変データの解析

このシンポはヒットした。南風原先生いわく「量的研究の新しい展開」である。個人内の変化(時間による変化)や個人内の共変(順序情報なし)を分析することによって、人間行動の状況依存性を重視した、変数の構造を明らかにすることができる。

個人内の共変データを取った場合は、その相関を1つ1つ見ることで、違うものが見えてくる。そのときは、相関係数の平均や標準誤差を検討することになる。

ただ、個人内で回帰分析をすると、反復回数が少ない場合の誤差が問題になるので、階層的線型モデル(HLM)という手法が開発されている。

また、単一被験者多変量データ(EMA;Ecological Momentary Assessment)として、生態学的に妥当なデータを取り、それを分析する手法も開発されている。最終的にはSEMだが、その前に、時系列による相関を考慮しているところが特徴。

(感想)とはいえ、個人内で何度もアンケートを繰り返すのは、あまり現実的でなかったりする。でも、複数科目の授業評価データなどは、これまで、個人内での評価基準構造などは考慮されていなかったわけで、新しい分析ができるような気がした。