イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
- 作者: クレイトン・クリステンセン,玉田俊平太,伊豆原弓
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2001/07
- メディア: 単行本
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市場で成功を収めつつある企業群が、持続的イノベーションによって、しばしば市場を追い抜いてしまう(顧客が求める以上のものを提供してしまう)ために、戦略的にまったく間違っていないにもかかわらず、より性能が低く機能も限定された破壊的イノベーションの出現によって、失敗するというメカニズムを、豊富なデータとケーススタディによって明らかにした研究。
「キャンパスと教室での授業」が確立された技術なら、破壊的技術は「インターネットを利用した遠隔教育」となる。確立された「標準的な教科書」に対して「カスタムメイドのモジュール式デジタル教科書」が破壊的技術となる。
「存在しない市場は分析できない」という原則があるので、新しい市場につながる破壊的技術においては市場調査が役に立たないし、専門家の予測は外れる。しかし、破壊的技術においては先駆者が圧倒的に有利になる(もし市場が成立すれば)。これがイノベーターのジレンマということになる。
優秀な企業であればあるほど、しばしば市場を追い抜いてしまうというところが面白い。企業と市場とは循環的な因果関係を持っている。これを、教育と市場というふうに移し替えて読んでみるのも面白い。