KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

『見城徹 編集者 魂の戦士』

見城徹 編集者魂の戦士―別冊課外授業ようこそ先輩

見城徹 編集者魂の戦士―別冊課外授業ようこそ先輩

NHKの番組「ようこそ先輩」を本にしたものです。今年2月に琉球大学に集中講義にいったときに、道田さんから教えてもらった本です。この番組を見ていないので、比較ができないのですが、授業を終えて、見城さんがいろいろ語っているところが、授業研究者としては面白かったです。

それから、最初はぼくは彼らをちょっと甘く見ていたね。子どもだから手加減しようとかやさしくしようとか思っていたけれども、やつらはやつらで精一杯12歳を生きてるよ。そんな手加減したり、ちょっと言葉を換えて言おうなんていうふうに、こちらがある覚悟をしないで、決意をしないで、つらくならないで、血を流さないで、何かを相手に教えようと思っても、あいつらはちゃんと見抜くということがよくわかりましたよ。

授業の方法としては、グループを作って、その中の人が書き手になり、他のメンバーはそれにたいして批評したり、注文したりして、編集していくという作業をしたのですが、その編集という仕事が、まるで「内臓と内臓をこすりあわせるような」真剣勝負なんだというところまで持って行くところがすばらしいです。そして、それをわかってもらうためには、編集を教える人その人自身が、それを身をもって実行してみせるということが不可欠なのですね。

そこに、「本物の人」が教壇に立つことの意味があるように思いました。