- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ハードカバー
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- p.56 クロポトキンは1902年の著作『相互扶助論』の中で、ある意味では、今日のインターネットという<リンク経済>を支配するいくつかの社会的な力を予想していた。人に何かをあげることは、お金のためではなく自己満足のためだと彼は言ったのだ。その満足はコミュニティや相互扶助や支援に根ざしている。すすんで他人を助けることで、相手も同様にふるまうようになる。「原始社会」はそのように動いていたとクロポトキンは主張した。贈与経済は市場経済よりも、人間の自然の状態に近いのだと。
- p.82 サボはこれを購買決定行動にまで拡大した。彼は<マイクロペイメント>というアイデアについて研究した。たとえば、ウェブページの閲覧を1ドルにしたり、連載マンガのダウンロードを数分の一ユーロにするといった少額の支払いを可能にすることにで、ビジネスを成立させようとする決済システムだ。そしてサボは、そのようなビジネスモデルはすべて失敗する運命にあると結論づけた。なぜなら、選択肢の経済コストをいくら最小にしても,認知作業のコストは残るからだ。
- p.213 フラット・ワールド・ナレッジ(FWK)という出版社の<オープン・テキストブック>がそのモデルになるだろう。編集もアップデートもできて、いくつかを組み合わせてカスタマイズもできる無料教材だからだ。