KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

宇佐美寛『作文の論理』

作文の論理―『わかる文章』の仕組み

作文の論理―『わかる文章』の仕組み

作文についての本を書くことは、その著者に相当な覚悟をさせるものだが、尊敬する宇佐美先生も、冒頭にこんなことを書いている。

著者自身が、この本のありがたい教えを守りきれていない。ありがたい教えを守るには日々の練習が要るのだ。この本の主張自体は正しいのだ。著者の悪文を反面教師として、この本の主張を身につけ守るようがんばろう。

安心して読み進めよう。文章を書く上で役に立つことばかりだ。しかも具体的。

  • 「はじめに」を全部削ってしまったらどうか
    • そうすれば「はじめに」に何を書くべきかという覚悟ができる
    • 「はじめに」はそれなしでは読者が以後を読むのに困るからある
      • つまり、それ以後を読む準備をさせるために書く
  • 一文一義の短い文をいくつも書く
    • それをどんな順序で重ねるかに注意して書く
    • 順序の原理は、読者にサービスすること
      • 読者にがまんをさせない
      • 理解できるように
      • 飛躍がないように
      • 少しずつ内容が進むように
  • 序論・本論・結論といった形式的区分よりも、具体例として何を使うか
    • 良い具体例さえあれば、文章は書ける
    • 具体例について詳しく書こうとすると、書くことがたくさん見つかり、長く書ける
      • それが良い具体例だ
  • 文章の最初ですべきことは、読者との約束である
    • 筆者が読者にどんなサービスをするつもりなのかを書く
    • どんな問題に答えを出すのか
    • 読者が今まで知らなかったことの中身を予告する