KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

Geoff Colvin『究極の鍛錬』

究極の鍛錬

究極の鍛錬

経験者ほど能力が低い、という逆説がある。「経験の罠」と呼ばれている。モーツアルトタイガー・ウッズになるためには、才能ではない。しかしただ努力するだけではダメ、特別な訓練が必要だ。それをdeliberate practice(究極の鍛錬)と呼ぶ。それを、10年間、一万時間続けることができれば、一流になれる。

「究極の鍛錬」の要素は、

  • 自分を観察し、評価してくれる教師がいて、彼が改善すべき点を限定し、鍛えてくれる。
  • 楽な「コンフォートゾーン」と、ハードルが高すぎる「パニックゾーン」の中間地帯「ラーニングゾーン」(チクセントミハイの言う、チャレンジ/スキルがバランスしたところ)において、練習を何度でも繰り返す。
  • フィードバックがある。それに基づき注意深く練習する。
  • つらい。長時間やる必要はなく、集中して努力する。
  • おもしろくない。苦手なことにしつこく取り組む。「本質的に楽しいものではない」

「次のインストラクショナルデザイン」を考えるためにもいい本。

なお、同時期出版のMalcolm Gladwell『天才!成功する人々の法則』があり、内容がかなりかぶっている。「人はどのようにして能力を伸ばせるか」という内容の一貫性から判断すると、Colvinの本をお勧めする。