KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【ブログ】武蔵野市立第四中学校で講演:講演会でワークをする目的

2022年11月7日(月)

武蔵野市立第四中学校のPTAから依頼されて、講演をしました。内容は、非認知能力・社会情動的スキルからスタートして、アドラー心理学にもとづく「できる・つながる・価値がある」感覚を身につけるワークをしました。参加者は60人超で、皆さん積極的に参加してくれました。ワークはいつものように4人グループになって行うものです。親同士のこうした交流機会はあまりないので、その意味でも貴重なものになったようです。

中学生の子どもを持つ親が講演を聞きに来てくれています。そこで話す私の目的は、「自分の子どもをどうするか」について何かを言うことではなく、参加してくれた親自身を少しだけ変えることです。そのために講演会でワークをするのです。

子どもをどうするかということではなく、親自身の行動と考え方を少しだけ変える。そのことによって子どもとの付き合い方が少しだけ変わります。それを続けていけば家族全体が少しずつ変わっていくのです。

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90分の話しとワークのあと、質問が続き20分ほど超過しました。ワークのシェアとその質問の内容で感じたことは、親の悩みはあまり変わっていないということです。子どもの行動が気になってついガミガミ言ってしまう。そんな自分自身にも嫌気がさしている。ゲームの時間が長すぎる。SNS(インスタのチャット)に入り浸っている。テストの成績が気になる。男女交際が気になる。全部が気になるのです。

大丈夫、親がいくらガミガミ言っても、子どもは変わりません。研究で明らかになっていることは、子どもは親からの影響をほとんど受けないということです。子どもが影響を受けるのは同年代の仲間からがほとんどなのです。自分が中学生だった頃を思い出してください。誰から影響を受けましたか?

親が子どもに影響を与えることができないということを心底理解できれば、もう少しおおらかに見ることができるでしょう。それは子どもを信頼するということです。そして、一対一の対等な人間として付き合うことなのです(Equality)。

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講演の形式は、最近はいつも、ホワイトボードに書きながら話すスタイルです。参加人数が多いため、体育館で行ったので、ホワイトボードをプロジェクターで拡大するという仕様にしてくれました。これはよかったです。