KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

コラボレーションということ

 コラボレーション(協力して働く)が大切だといわれているが、実際にそれをするのは難しい。一つの仕事を複数人でするとなれば、責任も分散され、「連帯責任は無責任」ということばもあるようにうまくいかないことも多い。

 簡単のため、A, Bの2人で本を書くというコラボレーションを考えると、次のようなケースがある。

  1. 本を第1部と第2部とにわけ、それぞれをA, Bが書く。最後に合体させる。
  2. 全部をAが書き、それをBが受け取り、加筆、修正をして、Aに戻す。これを気の済むまで繰り返す。
  3. Aが少し書き、その続きをBが書く。さらにその続きをAが書く。これを終わるまで繰り返す。

 コラボレーションの深さはリストの3になるほど深くなる。しかし現実には合体レベルの浅いコラボレーションのケースが圧倒的に多い。合体コラボレーションでは、最後の合体になるまでAとBの交流がなくてもかまわないので、互いに独立して仕事をすることができる。メンバーのインタラクションが不要であればあるほどコラボレーションは浅くなる。

 リストの2,3では相手のリアクションがなければ次の仕事ができないのでインタラクションが深い。その分待ち時間が多くなる。したがって時間がかかり、非効率になる。リスト1の場合のように、互いに独立して仕事を進めることによって時間を半減させることができるのとは反対である。

 同じコラボレーションといっても、かかる時間を半減させるものと倍増させるものがあるのは面白い。だから「一緒に仕事をしましょう」と言われたときに、それが時間を半減させるものか倍増させるものかのどちらを相手が期待してるのかを、あなたは確認しなければならない。もちろん「時間は短く、そしてコラボレーションは深いこと」を望んでいる人が多い。しかし、それは決して両立しないことを理解しておいた方がいい。