KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

第3回WebCT研究会(福井県立大)で講演

2005年6月にお台場で開かれた、第3回WebCTユーザカンファレンス(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20050603)に初めて参加したのがきっかけになって、WebCT研究会で講演を依頼されました。

会場校は、福井県立大学福井大学へは何度も行ったことがありましたが、県立大学は初めてでした。広い敷地にモダンな校舎が建っていました。福井駅からはバスで30分かかりますが、学生は自動車通学が中心のようです。

研究会とはいっても、2日間に渡って行われ、30分枠の口頭発表が13件、ポスター発表が6件と、充実した内容です。WebCTを名乗っているだけあって、どの発表も実践に基づいたもので、机上の空論はありません。

eラーニングの土台:行動主義、認知主義、状況主義学習論とその統合

私は上記のタイトルで1時間の講演をしました。40分の講演と20分の質疑応答でした。質疑の内容を以下にメモしておきます。

質問:eラーニングのハードルを下げるだけでいいのか?

チクセントミハイの言うC/S(挑戦/技能)バランスが大切。授業の内容のハードルを上げることは簡単にできるので、教員はハードルを下げる準備をしておく必要がある。

質問:状況主義の内容をeラーニング化するには?

リアリティのあるeラーニングコースを開発するには、資金と人材と時間がかかる。もし、教員1人で始めるのならば、自分のゼミや実習をビデオで撮影し蓄積するところから始めることをお勧めしたい。これならお金をかけなくてもできる。そのあとどうするかはまだ考えていないのだが。

質問:状況主義学習論では何をどう評価するのか?

評価内容と評価方法を決めると、学習はそれに対して最適化されてしまう。状況論に立つならば、参加した時間、関与の深さ、そのプロセスそのものを評価対象としなければないけない。そしてそれはおそらく点数化することができない。私の授業では、レポートへのコメントはできるし、する。しかし、点数はつけていない。

これを「全体論評価論」としてまとめたいが、それが一体どういうものになるのか見当がつかない。