KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

「今お話ししてもいいですか?」

 やはり電話セールスで困っている人は日記書きの中にもけっこういるようだ。

 電話や電子メールなどの比較的新しいコミュニケーション手段では、よくそのマナーが話題になる。ということはマナーがまだ確立されていないということになるわけだが。

 たとえば電話がかかってくる。礼儀正しい人だと、相手を確認した後「今お話ししてもいいですか?」と尋ねる。そうしてから、本題にはいる。実に丁寧で、心休まるマナーである。

 と思うのだが、私に限っては不要である。なぜなら、電話のベルがなって、受話器を取った瞬間、私は相手の話のために時間を割こうと決心しているからだ。だから「お話ししてもいいですか」に対しては「どうぞ」と答えるしかなく、不要なやり取りになる。それに、「お話ししてもいいですか」に対して「いや今忙しいから」といって切る人などいないと思う。もちろんこの一見不要なやり取りがマナーであり、心の余裕を生むのだという意見もわかる。

 もし本当に忙しかったり、接客中だったりするときは、私は電話に出ない。すると留守番電話が話を受け付けるということになる。私の電話は常に留守電モードになっている。だから、受話器を取るときにはベル3回以内に取るようにしている。

 この期に及んでも、まだ携帯電話を持っていない私である。最近は携帯のマナーがとりわけうるさく言われるようになってきて、同情にたえない。電車の中では、携帯を切れとか、デッキに出て話をしろとかやかましくアナウンスされる。携帯を持っていないものにとってはそのアナウンスそのものがやかましい。

 電車に乗っていて、携帯のベルが1、2度鳴ったと思うと、ばたばたとデッキに走っていく人を見ると、同情してしまう。せっかく金を払って携帯を持っているのだから、落ちついて話をさせてあげたいものだ。高々2、3分のことなんだから周りの人も許してあげればいい。ここまで携帯が普及すれば、お互い様のことである。

 隣の席に座った人が30分も1時間も携帯で話をすれば、これはさすがの私でも嫌だが、自衛手段もある。ウォークマンを聴いていればいいのである。長旅ではたいていMDを持っていく私である。