KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

雰囲気の良い交流の場をつくること 日本心理学会大会@京都国際会館

「添い寝→熟睡」パターンで寝てしまうところだった。かろうじて、2時に目が覚めた。

日本心理学会大会でのエピソードを書いておこう。

「意識の科学は可能か?」というテーマの座談会を聞いた。実験心理学から臨床心理学までの第一人者が、最先端での「意識」の扱いをそれぞれ解説した。その中でも、脳のデータを示しつつ、知覚の現象学をやるのだと宣言する下條さんのプレゼンテーションは華麗なものだった。一方、臨床心理学の人の話はオカルト的ではあったが(たとえば、自分の母親が死ぬ直前に行方不明だった飼い猫が戻ってきた話など)、何か引きつけるものがあった。まあ、このスペクトルの幅が心理学という学問の魅力なのかな。

このシンポジウムは「座談会」と銘打っていて、4人の話題提供の時間はなるべく短くして、お互いのやりとりを重視したいという企画意図だった。結局、話題提供の時間が延びて(よくあることだ)、座談会の時間はほとんどとれなかった。質問の時間にそれにかみついた人がいた。「座談会と銘打っていて、その時間がほとんどないのはひどいじゃないか」という意見だ。それはもっとものことなので、私もその意見に対して拍手した。

その人は、そこでやめればよかったのだ。指摘は正しいのだが、本題ではない。しかし、一度激高してしまうと、なかなか止まらないのだね。結局、貴重な残り時間も、その質問者が奪うことになってしまった。やれやれ。話題提供が面白かっただけに、ちょっと残念。あとで聞いてみると、その質問者はローカルには有名人であるらしい。そういう行動をよくとる人として。こういう人がいると、シンポジウムの運営はなかなか難しい。雰囲気の良い交流の場をつくるということは、ある種の芸術に近いものがある。