KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

はじめての台湾日記(2)ICCE2000@台湾

22日(水)から24日(金)までは、ICCE2000(教育におけるコンピュータについての国際会議)に参加した。去年のICCEは千葉で行われた(99/11/05「英語が聞き取れない」、99/11/07「英語で発表することのパワー」を参照)。そのときの日記には「これはくせになるかもしれない」と書いていたが、実際にくせになってしまった。

会場は、Grand Hotelという一級のホテルで、写真のように実に目立つ建物で、丘にそびえ立つ。参加費は4-5万円を払ったはずだが、朝食、昼食、夕食をすべて含んでいる(宿泊は別)。これがまた豪華なものなので、高いという感じはしない。

今回もまたARCS動機づけモデルについての実証研究をポスターで発表した。下の写真のように、屏風のように張り出されたポスターにかなりの人だかりがして、にぎわっていた。私も英語の不自由さは相変わらずで、冷や汗をかきつつも質疑に対応していた。
 
口頭発表のセッションはフルペーパー、ポスターはショートペーパーという分類になるわけだが、口頭発表でも「え?この内容でフルペーパー?」というようなものも時々ある。日本の学会のように「発表は一人一件まで」という制限もないので、一人で2件、3件発表しているケースもある。業績をかせぐ必要があるという事情があるのかもしれない。

口頭発表をいくつか聞いて感じたことは、この学会のプレゼンでは理論的背景を重視していて、実証データについては比較的軽く触れられるケースが多いこと。中には、ほとんど理論のレビューだけで終わっているものもある。「このような理論的背景を持って、これから実証していきたい」というのを発表の最後に聞かされて、がくっとしたプレゼンもあった。これは、実証データをずらずらと並べるのにほとんどの時間を費やしてしまって「それで何?」という感想を持たざるを得ないような発表がむしろ多い、日本の学会とは傾向が逆だ。一般的に、地味な実証研究よりも、花火を上げるようなプレゼンの方がウケがいいみたいだ。

動向としてはWBT(ウェブベースによる教育・訓練)の発表が多かった。ウェブの利用がどこの国でも当たり前になってきたということだろう。それだけに、この領域での基礎研究が必要とされているはず。

最後の夜は、晩餐会。中華料理のフルコースで、とてもおいしかった。アトラクションで面白かったのは、台湾原住民の民族舞踊。素朴な感じの残る踊りで、最後には学会参加者たちも入り乱れてダンス。

来年のICCE2001は韓国・ソウルにて、11月1〜4日の日程。おお、キムチだ、焼き肉だ、冷麺だ、ってそういう問題ではなく。