KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

学びの認知科学:福井大学集中講義

ずいぶん、日記の休みが続いてしまった。19日から21日まで福井大学で集中講義をしてきた。もちろんパワーブック持参だったのだが…。

■大学宿舎にインターネットを(2/18)

福井まで、高速で3時間弱で到着する。牧島荘という宿舎が大学内にあるので、そこに宿泊する。宿舎は、1泊1000円ほどで、いいのだが、電話が使えないのが欠点だ。室内の電話は大学内線にしかつなげない。1階にある公衆電話は、今時ピンク電話で、モデムジャックがない。

こうなると通信的な孤島だ。大学宿舎にはぜひインターネット回線をひくように要望したい。それがだめなら、せめて公衆電話にはモデムジャックをつけて通信できるようにして欲しい。そうでないと、メールもチェックできない。

福井大学集中講義1日目:けん玉とDDR(2/19)

受講生は11人で、全員1年生。男性は1人だけで、あとは全員女性だ。「学びの認知科学」というタイトルの付いた集中講義なので、それなりのストーリーを考えていく。

午前中は、「熟達化」のテーマ。けん玉を導入する。けん玉は、授業のはじめと終わりに10分間の練習をしたあと、5回の記録を取る。これを3日間続けて、熟達化の過程をみずから体験してもらおうと考える。3日間で熟達化が生ずるかどうかはやってみなくてはわからないが。

授業の始めと終わりにけん玉を練習する

午後は、「ゲームの面白さ」のテーマ。プレステの「ダンス・ダンス・レボリューション」を導入する。全員にプレイしてもらってから、ゲームの面白さについて、理論的に考察する。どういう条件がそろうと人はゲームにハマるのかということを考える。DDRにハマってしまった学生もいて、授業が終了したあとに、自分でDDRをやっていた。これはけん玉も同じで、大部分の人はけん玉を持ち帰ったようだ。家で練習してくるのだろう。

福井大学集中講義2日目(2/20)

午前は「正統的周辺参加」で、「愛の貧乏脱出大作戦」の番組ビデオ(焼き肉屋での修行)を見て、それが正統的周辺参加になっているかどうかを議論した。正統的周辺参加の概念は、割とすんなりと受講生に受け入れられた。バイトなどで実際にそういう状況に遭遇しているからだろう。と、同時に、なんやかんやいって正統的周辺参加の理論はすごいということだ。それば頭だけで作り出したものではなく、フィールドの詳しい観察とそれを統合して、理論を浮かび上がらせたからだろう。

こんなふうに討論して、プレゼンを練る(DDRのマットが見える)

午後は、NHKスペシャルの学級崩壊の番組を見せる。一様に、「こんなにひどいことになっているとは思わなかった」という感想を得る。質問書には「ではどうしたらいいのかと先生は考えているのか」というもの数件あり。

福井大学集中講義3日目(2/21)

仕入れたばかりのネタ「eラーニング」を材料にして、「あなたが学校をデザインするとしたらどういうものにするか」というテーマを最終課題にする。これまではグループ発表だったが、これは個人発表とした。

今回は意図的にレクチャーをしなかった。素材となるビデオを流して、文献資料を読んでもらい、グループ討議をしてOHPによる発表というステップを踏んだ。それがどのような評価を得たかについては、近々アンケート結果をまとめたいと思う。