KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

第18回日本アドラー心理学会総会@徳島

徳島で3日間にわたって開かれているアドラー心理学会の総会に参加する。初めての参加だ。

会場のホテルに着くと、何年ぶりという人たちに会って、ひどく懐かしい。もちろん最近会ったばかりという人もいる。なんか学会という感じがしない。

1日目のプログラムは、シンポジウムで、「21世紀のアドラー心理学会」というテーマ。「21世紀のアドラー心理学」ではなく、「アドラー心理学会」だ。学会をどう法人化していくか、また、研究者・専門家をどうやって増やしていくかということがテーマになっている。参加者が全員集まってシンポジストと一緒にこれからのこの学会の進むべき道を考えている。ふつうの学会ではあまりない光景だ。

シンポジウムを聞きながら、「これはエスペラントの大会に似ているな」と感じる。まさに、先週、エスペラントの大会が開かれた直後なのでよけいそう感じたのかもしれない。

ひとつは、アドラー心理学にしてもエスペラントにしても、それを実践している人は相当数いて、そういう人たちが大会に出てくるわけだが、研究者・専門家・指導者がごく限られているということだ。つまり、指導者や専門家の育成が両者のこれからの課題になっている。

この大会では、一般研究発表がない。これは学会としては例外的なことだが、それは研究者が少ないということが原因だ。先週のエスペラントの大会でも、研究発表がなかった。それは、今年は私が担当で、事前に原稿を出してもらうということをしたので(これはたいていの学会ではふつうのことだ)、ハードルが高くなったのかもしれない。しかし、毎年研究発表は数件しかない。しかし、近年では、大学修士以上のレベルで、エスペラントや言語問題の研究者が出てきている。こうした人たちをどうやって増やしていくかということだ。

私の考えでは、大学の修士以上で、アドラー心理学専攻あるいはエスペラント・言語問題専攻で学べるようなところを作っていくのが堅実な方法だろうと思う。難しいかもしれないけれどもね。あるいは、修士以上をターゲットにした通信教育コースを作ることだろう。これも難しいかもしれないが、やればできるのではないか。

夕食後は、全国各地の学習グループで、どのような問題があるか、どのように解決しているかを情報交換する。これは、エスペラントの講習会講師や地方グループのリーダーが、お互いのノウハウを交換し合うのに似ている。

それにしてもみんな熱心だ。こんなふうに悩みながら、励まし合いながら、日常生活でアドラー心理学を実践しながら学んでいる人たちが、ここにこうしてたくさんいるんだ、ということそのものが、すごいことなんじゃないだろうか。