KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

教員はすべてをコントロールしようとする

私のいる学部にFD委員会ができ、その手始めの仕事として統一形式による授業アンケートをやるようになった。昨年度の後期から始まった。こういう試みは少なくとも3年間は続けてみなくてはその長所や欠点が見えてこない。しかし、すでにいろいろな意見が出てきている。

たとえば、一部の学生による悪口雑言が耐えられないのでなんとかしてほしいというもの。評価シートは無記名であるから、こうしたことが起こる可能性はある。だから記名式にするべきだという意見もあるけれども、私はとらない。「記名させることで自分の発言に責任をもたせるのだ」というような理屈をつける人もいる。なんとでも理屈はつけられるものだと感心する。

教員と学生は対等な立場ではない。そこにおいて記名させることが圧力をかけることになるという可能性を排除するために無記名にしている。ただそれだけのことだ。授業アンケートという機会までとらえて、そこで「教育」をしようとする教員がいる。熱心なことだ。授業アンケートはそういう趣旨ではない。あなたの授業が評価されているのだ、ということ。それ以上でもそれ以下でもない。授業者は授業アンケートをコントロールできる立場にはない。それをコントロールするのは本来、学生だけれども、FD委員会は学生の代理としてこの仕事をしているわけだ。