KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

話を深めていくことこそ重要

科研の会議で、水戸に行っていた。

教育工学の一線の研究者たちが、「ポストモダンな教育工学とは何か」について語り合う、というのは聞いているだけでエキサイティングではある。かといって別段、結論が出るわけではないんだけど。だって、もしそれを知っていたなら、まず自分が実践しているはすだから。

自分もできていないことを、ああだこうだとしゃべるのは、無責任な分だけ楽しいのである。他人から「じゃあ、まずあなたが手本を示してよ」と言われない限りね。そして、すてきなことに、そういうことは言わない約束になっているのだ。

1日の会議が終わりに近づき、ふと私が言う。「何年前だっけ、冬の合宿で同じ話題について話したよね。あれからずいぶんたっているのに、全然進歩がないね」と。自虐的に言ったのではなく、なかなか進歩しないことに取り組んでいる自分たちをたたえたのである。

別の人が言った。「いや、お互いにたくさんのやりとりをして、それだけ話が深まった」と。そう、確かに。進歩は表面的なものだ。話を深めていくことこそ重要だ。しかし、それはなかなか目に見えないのだな。