KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

正義と善意は退屈だ

スカパーでやっていたテレビドラマ「白い巨塔」を結局、最終回まで見た。全部で31回だったか。

このドラマは、「野望と策略」の財前と「正義と善意」の里見の二人が対極として描かれている。同じ教室で学んだ二人は、その後、財前の誤診を争う裁判で対立することになり、その過程がドラマの主要なストーリーになっている。

財前は悪役であり、里見は正義の味方だ。しかし、見ている私は財前に感情移入する。里見は、正義の人であるし、善意の人であり、医者として「あるべき姿」であるかもしれないが、圧倒的に退屈なのだ。ある種の嘘臭さを感じさせてしまう(私だけかもしれないけどね)。

財前は完璧に悪役だ。しかし、人間らしい。どこが人間らしいかというと、名声や地位にあこがれ(ちょっと単純すぎるけれど)、自分を取り巻く組織によって操られ翻弄されながらも、もがいているというところが人間らしいのだろうな。そして最後の最後にちょっぴり反省する。それで死んでしまうわけだが。