KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

外国語教育は英語だけでいいのか

お台場で、「外国語教育は英語だけでいいのか」というシンポジウムを聞きにいく。聴衆は100人以上来ていたように見えた。今回は、特にエスペラントということを取り上げずに進めたいという意図があるようだ。以下、私が面白いと思ったところをメモしておく。

森住衛(桜美林大学):一極集中は危うい。何であれ、ひとつの言語しか学ばないということが危うい。田中克彦の「便利なもの、役立つことしかやらないというのは性根がいやしい」ということばを引いていた。

岡戸浩子(名古屋大学非常勤):高校で教えられている英語以外の外国語の調査によると、1位は中国語(伸びが大きい。350-400校)、2位はフランス語、3位は韓国語(ドイツ語を抜いて、180校)となっている。

山下誠(神奈川県立根岸高校):その3位に躍進した韓国語を高校で教えている。その実体験。

木村護郎(慶應義塾大学非常勤):文部省は、とりたてて英語を勧めているわけではなく「市場に従っている」だけだという。しかし、それはひとつしか商品がないのにそれをみんなが選んでいるだけだといっているのに等しいことだ。

:言語権という考え方は、コミュニケーションを取る場合は、双方が責任を分担するという考え方だ。日本人が英語をしゃべる努力をしているならば、それと同じだけの努力をアメリカ人が請け負わなくてはならない、と考える。

:言語問題は環境問題に似ている。今より悪い状態にならないように、一人一人の意識改革が必要なのだ。

ところで、今年からセンター試験の外国語科目として、韓国語が選択科目として選べるようになった。この措置は、日本の高校で韓国語を教えるところが増えてきたということと関係があるのだろうか?