授業の途中でひどく咳き込んだ。
喉をやられてから、数日でよくなったのだが、咳がまだしつこく残っているのだ。普段は激しく咳き込むわけではない。しかし、授業となると、かなりしゃべりっぱなしの時間が長いので、水を飲みながらやっている。
2コマ連続の授業での2コマ目だったので、ペットボトルにいれた水がつきてしまった。それで、咳き込んだ。
咳き込みながら、何かが見えた。一瞬のうちに瞑想に入った。ああ、そうか。私が教えたいのは、今やっているこんなことじゃないんだ。そのことを私の身体は知っているのだ。
こんなことじゃなくって、……一体どんなこと? それは探さなくてもわかっている。そこにあることだ。ああ、なんだ。簡単なことだった。そう、はじめからわかっていたのだ。私が見通したように、物事は決まっていた。
たとえ環境が変わっても、場所が変わっても、私が見通したようにしか、物事は進まないのだ。ただ、それが見えなくなっていただけなのだ。そう、やるべきことは、すでにそこにある。
こんなことがわかるまで、ずいぶん時間がかかったように思われるかもしれないが、それにはそれの理由がある。何かが本当にわかるまで、いろいろな条件が必要だ。一見無関係に見える条件も必要なのだ。