ラジオにはラジオのしゃべり方があるのである。
うんうん、うなずいていても、ラジオの聞き手には届かない。うなずきや驚きや楽しさを、わざとらしくならないぎりぎりの線で、声にしていかなくてはならない。そしてそれを実に芸術的なうまさで、いとも簡単にこなしているように見える出演者たちに私は感動してしまったわけである。
そして、私はといえば、
(台本なんか、ないに等しい!)
ということに気づいてから、ああこれは素のままで話さなければならないということなのだなと覚悟したのである。
しかし、ふだん教室でしゃべるのが商売になっているとはいえ、ラジオのしゃべり方ができないのだな。
たぶん、スライドがないと、うまくしゃべれないようになっているのだ!
そのことに気づいた私はひどくうちひしがれたのである。
くそ、スライドさえあれば。←バカである。