- 作者: 清水義範
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/10/19
- メディア: 新書
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つまり、先生に読まれる作文とは、自由に自分の思いを書いていいものではないのだ。
このことは、読書感想文の弊害について述べたときにも少し触れた。学校の推薦図書について感想を書くとなれば、どうしたって、とてもいい本で感動しました、という方向で書くしかないと子供は思うのだ。いいこぶってそんなお世辞を書かなきゃいけないのは、気の重いことである。
小学生くらいの子供に作文を書く楽しさを教えたいなら、だめだしをしないで、いいところを探してほめまくろうという主張。そうだよね。読んでくれる人がいれば、書いちゃうものなのだ、人は。
新聞や雑誌の投稿ページにあんなにも投稿があり、壁の落書きがあり、ラジオ番組には聴取者からのお便りがあり、インターネットのホームページには素人の研究発表があり、ブログに日記を書いて公開する。すべて、自分を表現したいからである。
それなのに子供の多くが作文を書くのが好きではないのはどうしてか、である。自分のことをひとに伝えるはずのものが、作文になったとたんに、気の重いいやなものになるのだ。そこにあるいやな要素を取り除いてやるのが、親のしてやるべきことである。