インタビュー調査への招待 (SEKAISHISO SEMINAR)
- 作者: 河西宏祐
- 出版社/メーカー: 世界思想社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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著者は、私と同じ学部の先生であり、超人気ゼミで有名だ。その理由がこの本を読んで少しわかった気がする。
この本は、インタビュー調査そのものについての本というよりも、大規模私学で、インタビュー調査を取り入れた授業をどのようにデザインし、実行に移してきたかという記録だ。
そのポイントは、インタビュー調査を学生のキャリア教育の一環として位置づけ、大学生が生の社会とどのように折り合うかという視点を取り入れたことにあるだろう。インタビューの対象としては、功成り名を遂げた人にチャレンジしている。学生にとっては真剣勝負であり、学ぶことも多いだろう。それだけに、それを世話する教員としては苦労がしのばれるところだ。
インタビューとしては、対象のライフヒストリーとして考えているようだ。したがってテープ起こしからそれをまとめる段階では、質疑応答スタイルではなく、語りおろしスタイルを勧めている。つまり、理論的な何かを発見、実証するというよりは、そのまま記事として読めるようなものが最終プロダクトとして想定されている。