KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

LOST---何もかもが信じることのできない世界

「LOST」を見終わってしまって、ふぬけたようになっています。この3ヶ月間、登場人物と濃密に付き合ってきた感じがあるので、今そこにベンジャミン・ライナスが現れたとしても、「ハロー、ベン」と言いそうです。

このドラマには、明確な「悪役」がいません。強いて言えば「他の者たち(アザーズ)」がそうなのですが、彼らはなすべきことをしているので、主人公たちと対立はしていても悪役とはいえません。その中にあっては、ベンは悪役として描かれていきます。いつも驚いたように見開かれた眼、相手から何かを探ろうとし、自分は常に次のプランを考えている。いつも不安で孤独なのです。もしかするとベンこそが主人公なのかもしれません。

「私を信じて欲しかった」というメッセージはLOSTのキーワードです。このメッセージを文脈を変えて何度も出すことによって、このドラマは交響曲のような味わいを出しています。何もかもが信じることのできない世界、それがLOSTの世界です。