KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【盛岡】2日目:分科会、演題発表、懇親会

2024年10月12日(土)

日本アドラー心理学会学術総会の2日目。午前中は臨床、家庭、教育分科会のうち教育分科会に出る。3時間。参加者は学校の先生が中心。学校はいろいろ大変だなという感じしかしなかった。

午後は演題発表で、1件30分で5件の発表があった。多岐の話題があって、面白い。30分という時間も適切だったように思う。去年は20分だった。これは明らかに短すぎる。

(1) アドラー心理学と詩歌療法の融合:割り箸で詩を書くというアートセラピーをやっている人の話。退職したら、書を習ってみたいと思っているが、割り箸で字を書くというのも面白そうだ。

(2) お金を管理できない娘への対応:タイトルの通りの自伝的振り返りと語り。もう少しで研究になるんだけどな、と思って考えていた。たぶん、娘を記述するのではなく、娘に対応する自分を記述すればいいんだと思う。オートエスノグラフィのひとつとして。

(3) アドレリアンセラピストが増える方法〜TEM図を用いて考察する:セラピストになるまでをインタビューしてTEMにすることによって、どのような必須通過点を通っていくのかをパターン化しようとする。これによってセラピストを増やそうという目的が明確なので良い。

(4) 行動経済学とアドラー心理学における感情の取り扱いの比較:私の発表。Rasmussenの感情のZ因子モデルを紹介し、それがユニークであることをカーネマンのシステム1, 2との対比で説明した。

(5) アドレリアン・プレイセラピーの研修体験報告:シンガポールで開かれているアドレリアン・プレイセラピーの研修をオンラインで実際に受けた内容を紹介する。

夜は懇親会。

梅崎新会長の挨拶で、守破離の段階の「守」から「破」の段階に移りつつあると。国内外のアドラー派の組織と交流していこうと。来年の総会は東京で開き、個人心理学会との合同開催になるようだ。いいと思う。

懇親会で、愛知でネルセンのPositive Discipline (PD) をやっているロジャー涼子さんと吉田しのぶさんと出会う。二人はネルセンのコースを英語で受講して資格を得たとのこと。日本ではComPASという名前のコースを開催している。ただし、日本でファシリテーターを養成する資格はまだないので、そこが広めるためにはネックになっているとのこと。いずれにしても、PDのコースが日本で実施されているのはいいことだと思う。