KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

石原慎太郎の語り

 石原慎太郎が都知事になるとのこと。昨日の晩はテレビで何度かインタビューを見たが、ちゃんと中身のあることを論理的にしゃべっている、という感じがした。政治オンチを自負する私だから、その内容の是非を問題にしているのではない。その語り方が普通の政治家ではないという印象を持ったということだ。

 「自分はハト派などと呼ばれたくはない」という発言にも確信が感じられた。「どんどん議論していく。ネゴシエーションしていく」というようなことを聞くと新鮮な感じがする。普通なら「皆さんのお力添えを借りて…」などとしたがる場面だからだ。

 政治家のことばは、しっぽをつかまれないように細心の注意をして警戒することが習慣になっているので、抽象的で曖昧なことが多いが、それとは明らかに異質な歯ごたえのある語りだった。英語で「readable/読める」という表現があるが、石原慎太郎の語りは「聞ける」(聞いていて空疎な感じがしない)という意味で他の候補者とは違う感じがしたのだ。それは書いている人だからなのかは、わからない。

 その語り方がこれからどう変わっていくのか、あるいは変わらないでいくのかを見ていきたい。