KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

子育てのあとの心の空洞

 どこで読んだか忘れたが、雑誌『AERA』は、読者層の中核に子育て中、あるいは子育てが終わったワーキングウーマンをターゲットに置いているそうだ。いつからそうなったのか、読者に知らせてほしい(というのも変か)。なるほどそう指摘されて注意してみると、子供、家族、仕事といったことをキーワードに持つ記事が多い。しかもそうした記事が面白い。少なくとも私には政治経済の記事よりも面白い。ということはこの自分もそうしたターゲット層に近いところにいるということか。

 子供が風邪をひいて熱を出したのだが、その世話は大変である。病院に連れていったり、薬を飲ませたり、看病したり。ふだんの世話ですら大変なのだから当然だ。それでも私は「仕事があるから…」という理由でその世話を抜け出すことができる。あとはすべて母親に任される。

 私の妻は博士課程一年で中退して、専業主婦になったのだが、専業でやっても子育ては大変だと思う。これがいつ頃まで続くのだろうか。母親に関して「子育てのあとの心の空洞」というようなことが言われるけれども、ふと、その心情が理解できるような気がした。これほど大変な子供の世話が何年も続くのだから、突然子供が親離れをしたときに受ける衝撃というか空洞感は相当大きなものなのではないか。男であれば、会社を退職して長年やってきた仕事を離れたときの空洞感に対応するものだろう。

 男の場合は、人生の後半で空洞がやってくるが、女の場合は中間地点くらいでそれがやってくる。しかし、空洞があるということは、それを満たそうとするエネルギーがあるということだ。それが元気の良い女性をよく見かける原因かななどと考える。(しかし、書いているうちに自分の見方があまりにもステレオタイプであるような気もしてきた。どうなんだろう)