KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

頼藤和寛『人生応援団』

定本 頼藤和寛の人生応援団

定本 頼藤和寛の人生応援団

3月27日に取り上げた『最後のあいさつ』(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20060327/p1)のこちらが本編。

たとえば、新興宗教にのめり込む娘についてその母親が相談したのに対して、こんなふうに。

新興宗教に限りません。政治的イデオロギーでも経済的ムーブメントでも、そうした構造をもつ集団運動は熱病のようなものです。(中略)そうした"狂信"に代わる生きがいや充足感が得られない限り、心のどこかに疑問があっても引っ込みがつかなくなって、ずるずるウイルス(信仰)あるいは教団に操られ続けるということです。「もとの素直な子ども』に戻るのはあきらめてください。考えようによっては、これまでは素直な「実家教」の信者だったのが、別の素直な「何々教」の信者に移行しただけなのです。

巻末には、神戸女学院大学でのインタビュー記事と、ちょっと悲しい追悼文が収められている。