KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

サルでもわかる因子分析

 12月ともなれば、卒業論文修士論文のラストスパートの時期である。そうすると必ず私のところに持ち込まれる相談事がある。統計や検定に関する質問である。

 自慢じゃないが私は統計学の専門家ではない。その割には「確率・統計学」という授業科目を持っていたりするのだが、そういうつっこみはなしにして(だから「自慢じゃないが」といっている)、ひとりの統計ユーザーである。何事もユーザーというのは気楽でいいものだ。

 で、統計についての質問が私のところに持ち込まれる。マックの初心者にとっては、マックのヘビーユーザーが神様に見えるのと同じように、単なる統計ユーザーである私も、統計初心者には救世主に見えるらしい。それで、そうした質問にはできるだけ親切に答えるようにしている(もちろんアンチョコの統計学の本を調べながらである)。

 しかし、いきなり「このデータで因子分析をやりたいんですが」というのは困る。そういう場合はそもそも因子分析というのは何かということがわかっていないからだ。じゃあ、因子分析なんか使うな、と言いたいところなのだが、いろいろ複雑な問題はあるが、因子分析はやはり役に立つのである。とりわけ、たくさんの質問項目をつくってアンケートを取ってそれを整理したい場合などは、実に役に立つ。だから、やるな、なんて言えない。しかし、その一人のために因子分析について1からレクチャーするほどヒマではない。

 そうすると、私のところのゼミ生に頼むしかないのだが、彼らとて自分自身の卒論で忙しいのである。そういう時期なのだから。

 そうするとやはりあれかなあ。「サルでもわかる因子分析」とでも銘打って、Web教材を作るしかないかなあ、という気分になってくる。全国の大学の卒論生で因子分析を使う学生はたくさんいるだろうから、役に立つかなあ、なんて考える。