KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

濡れ煎餅のしあわせ

「濡れ煎餅」を食べ終えてしまった。ああ、うまかった。

濡れ煎餅とは何か? 通常の煎餅は硬くて、それをばりばりと豪快に食べるところに楽しさがあるのだろう。しかし濡れ煎餅はその名の通り、濡れていて、いや濡れているというよりは「半乾き状態」の煎餅である。つまり、口に入れてもばりばりという音はしない。「へにょ」という感じの噛み心地である。こんなものが煎餅を名乗っていいのかと憤る人もいるに違いない。

しかも、その濡れ状態が煎餅全体の各地においてまちまちである。「へにょへにょ」状態のまったくふぬけたように軟らかい部分もあり、また、ちょっと湿気た煎餅くらいの部分もある。あるいは「ああ、もう少し硬かったなら、ばりっという音がするのに。惜しい!」と思わせるような部分もあったりする。ちなみに私はへにょへにょに軟らかい部分から食べるのが好きである。

それが最近は人気であるらしい。Googleで最初に検索されたページを紹介しておこう。

私は別にその流行に乗ったものではない。濡れ煎餅は千葉県・銚子の特産品である。私の両親の実家が銚子なのである。それで、私が東京に行った折りに、母親からおみやげとして手渡されたのだ。はじめは馬鹿にしていたのだが、食べてみると妙にあとをひくうまさであった。娘も一緒に食べていた。濡れ煎餅を食べる子ども。なんだか妙である。濡れ煎餅は、入れ歯になった年寄りでも煎餅が食べられるようにと、誰かが発明したものであるに違いないと私は信じている。

また機会があれば手に入れよう。