KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

あるガソリンスタンドの妙な戦略

いつもガソリンは通勤途中にある決まったスタンドで入れていた。ある時、通勤ルートからは遠回りになるけれども、妙に繁盛しているスタンドで入れてみた。たいていのガソリンスタンドでは、1リットルいくらという値段をでかでかと宣伝している。今、富山では百数円というところで、店によってそう違いがあるわけではない。しかし、その繁盛している店では百円を切っており、なるほどこれが繁盛している秘密かと理解した。それ以来、その店でガソリンを入れている。

しかし、その店の戦略は妙なのである。店の看板には「1リットル100円」と書いてある。100円というのは割と安い方なので、この値段で勝負しているのだなと思ってお金を払おうとすると、実際の伝票は「1リットル97円」で計算されているのである。「あれ?」というような顔をすると、「97円でやってますから」と説明する。つまり、店の看板には100円と書いてあるのだが、実際はそれよりもさらに安い97円で販売しているのだ。それなら最初から97円と書けば、もっとたくさんの客が入るのではないかと思う。不思議な戦略である。

その理由を推察してみると、まず思い浮かぶのは、まわりのガソリンスタンドをあまり刺激しないように100円という看板を出し、実際はそれよりも安い値段で勝負しているということだ。ガソリンスタンド業界の事情はよく知らないけれども、店同士でいろいろな駆け引きがあるのかもしれない。

もうひとつは、心理学的な理由。100円だと思って入ったガソリンスタンドで、実際にはそれよりもさらに安い値段で買えたとしたら、「すごく安い」という印象が強く残るのではないか。そのために、その次からは常連客になる確率が高くなる。実際私は常連客になりつつあるわけだ。

しかし、本当のところはどういう理由なのだろうか。ちょっと気になる。