KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

会議を短くする方法

東京に出る新幹線で同僚の先生と一緒になった。話はつきない。

とりわけ、その中でも、会議の中の特定の先生のふるまいの話になった。彼は、ほかの出席者がすでに了解していることをむしかえし、なかなか議事を進ませようとしない。「ちょっと待ってくださいよ。そんなふうに簡単に決めていいものでしょうか」とか「私だけが理解していないのかもしれませんが(実際にそうであることが多い)」というのが彼の口癖。そして、長々と演説を始める。そのために、決まるものも決まらず、会議の時間だけが長くなることが多いのだ。

「はあ、彼がいるおかげでこれから会議が長くなりそうだよね」
「そうだね。ほめ殺し作戦はどうかな。○○先生のおっしゃることはいつでも示唆に富んだ発言ですね…とか」
「いや、それはほめ殺しであることを本人が気づけば効果があるけれども、彼の場合は、ますます図に乗ってしゃべり続けるような気がする」


「やはり、学会の発表方式を採用するか。3分間発言したら、ベルをチーンと鳴らす」
「それをやると暴れそうだなあ」
「そういえば、彼は最近は暴れなくなったね」
「そう。昔はよく暴れていた。急に怒りだしたり」
「ということは、少しは良くなっているのかな」


「うん。やはりベルを鳴らすことにしよう。3分で鳴らす」
「何ですか? そのベルは? と聞かれたらどうする?」
「いや、気にしないでください。3分間で鳴らしてみただけです。けっして発言を短く切り上げよとか強要しているわけではありません。と言う」

「いや、その前に、データを取らなくては。ベルなしの状態で、その先生が、どのくらいの長さで何回発言したかを記録しておく」
「ベースラインだね」
「そう。そのあとでベルを導入して、改善されたかどうかを調べる。適度に改善されたところでベルをやめる」