KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

通信教育、放送教育、遠隔教育

また出張のし過ぎと言われそうなのでいやなのだが、新潟で仕事をしてきた。

関東地区高等学校通信制教育研究大会の助言者というのをしてきた。なんでこういう仕事が回ってきたのかというと、岩手県立大の鈴木克明さんのおかげである。もともと鈴木さんがこの役回りを引き受けてきたのだが、なんでも彼自身は、全国大会の助言者に「格上げ」になったそうで、それでこの仕事を私に回してくれた。ありがたいような、そうでないような。しかし、これまで彼が回してくれた仕事にハズレはないので、引き受けさせていただいたという次第。

はたしてそれは裏切られなかった。通信制高校の様子と、NHK東海大学付属望星高校が行っている放送教育について、たくさん勉強させていただいた。

遠隔教育が、インターネットを背景にして、脚光を浴びている。遠隔教育は、これからの教育、とりわけ高等教育の中心になっていくと予想される。私もその領域に関心を持っている一人だ。よく考えると、通信教育や放送教育というのは「元祖」遠隔教育といってもいい。通信・放送教育がこれまでに蓄積しているノウハウから、これからの遠隔教育が学ぶべきことは多いだろう。

とはいえ、放送教育とインターネットによる遠隔教育には決定的な違いがあり、それは学習者と教育システムとのインタラクティビティ(やりとり)の保証ということだ。これからは、すでに進みつつあるように、放送とインターネット(Web)の組み合わせや、デジタル放送化によって放送そのものをインタラクティブにしていくということが焦点になる。

こうして書いてみると、ここでは、教育工学という学問が活躍する場がたくさんある。むしろ学校の教室におけるよりも教育工学の出番がある。通信教育というと、これまでは、時間的地理的制約によって教室に通うことができない人々のための補完的教育手段というような感じを私自身は持っていたが、しかし、こうして考えてみると、むしろこれから主流となる教育システムとして発展していくのではないかと思えてきた。