教育工学協会の大会で、座長(司会)の仕事をおおせつかった。
座長の仕事は、発表の後の質問をさばくことが核心だ。そう、さばくほどたくさんの質問が出ればハッピーだ。次々と質問の手が上がっていくのを見ると、発表者当人でなくてもぞくぞくする。
座長の腕の見せ所だ。質問のふりをしながら、実は自分の自慢話がしたい人には、「他にも質問者がいますので」とバッサリ切り、良い質問が飛び出せば、少々の時間オーバーもOKとする。それくらいは座長権限で許されるだろう。質問の手が上がっているのに「時間が来ましたので、あとで個別に質問してください」と杓子定規にする司会もいるけれども、ロボットじゃないんだからなんとかしてくれ。その質問が、聴いている人にヒントになるかもしれないじゃないか。
つまり、質問するということはそのセッション全体への「貢献」である。
なのに、ひとつの質問も出ないときがある。そういうときに率先して質問するということも、座長の仕事なのだ。それがきっかけになって、フロアから質問が続けば座長の努力は報われる。しかし、悲しいことに、座長の質問だけで終わってしまうことも、あることはある。
だから、なんでもいいから質問しろっての。「やっぱり聞いてみるもんだねぇ」ということがあるんだからさ。