KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

第1回「教育優秀者賞」

Yomiuri OnLineを開いたら、たまたまトップにこんな記事が……

人気の7教員に各百万円…北海道・国立北見工業大

北海道北見市の国立北見工業大学(厚谷郁夫学長)は、学生から授業の評価が高かった教員を表彰する第1回「教育優秀者賞」を決め、近く受賞者7人にそれぞれ100万円を授与する。「他国の教育事情を調査するなど、より充実した教育に取り組んでもらうため」という。(Yomiuri OnLine 2002.1.9より)

こ、これは思い切ったことを。100万円ですか。これはポケットマネーになるんですか? 記事の続きには、すでに東京農工大で「旅費・研究費として110万円」の例があると書いてあるので、北見工大の100万円は自由なお金になるのかもしれないなあ。そこにこだわるのは、研究費としてもらうのとそうでないのでは自由度に大きな違いがあるので。いや、もちろんもらえば有効な形で使わせていただきますよ(←私がもらうわけじゃないのに)。

それにしても、こういう動きはどんどん加速していくのだろうなぁ。私のいる学部でも、研究費の配分に重みをつけることが今期から始まった。まず初回としては傾斜配分のための経費として500万円を計上して、それを評価によって配分することにした。教員の数は100人弱なので、同額で配分すれば、1人5万円になる。高々5万円のために、活動調書を書くのはばからしいという考えもあるけれども、ともかく実施された。

評価の仕方についてはたくさんの議論を重ねたらしい。結論として、科研の申請は3万円をつけ、そのほか研究活動、教育活動、社会貢献の3分野について調書をポイント化し、予算を傾斜配分した(委員の方ごくろうさまでした)。その結果、配分額は、ゼロ円から最高で10万5千円までとなった。平均すれば5万円だから、倍額くらいの差はついたということになる。

調書を提出しなかった人は、それはそれで立場の表明になるわけだが、配分額は当然ゼロになる。今回は、研究費全体から見れば、数パーセントだけが評価によって傾斜配分されたわけだけれども、この割合は大きくなることはあっても、逆戻りすることはないような気がする。それがいいのか悪いのかやってみなくてはわからないけれども、大学教員といえどもバカじゃないので、ちょうどみんなが納得のいくところで安定するはずだ。それよりも、自分たちの仕事(教育、研究、社会活動)について何ら評価とチェックを受けてこなかったということが異常だったのだということに気がつく。